贈り物上手
《茜庵の掛け紙》餅つき
「季節の移ろいを感じ、五感でお菓子を愉しんでいただくきっかけになれば」と、
茜庵では、四季折々の掛け紙をご用意しています。
詰め合わせの箱に添える 掛け紙の絵や筆文字は、
創業以来変わらず庵主の手しごと。
菓子屋の家に生まれ
小さい頃、餅つきほど心を躍らせる行事は少なかった
朝早くから祖母と母は、割烹着に姉さんかぶりで準備にかかる
若い衆は、鉢巻をしめて威勢がいい
蒸し上がるとそれを、臼の中へ移す。
つき手は杵でこねてから、つき始める
臼の横では杵とりが、素早く餅を返す
ぺったら ぺったん
北風が吹く季節になると、街角から ふと
そんな声が聞こえてくるような気がする
……