お茶の時間
長月(9月)のお菓子:小さな秋
九月のお菓子の銘「小さな秋」
茜庵本店、長月の喫茶に、ようこそ。
秋は、夕暮れどきが おたのしみ。
今月は、いかにも和菓子らしい一品が登場です。
七草をあしらった、白秋のきんとん
ここでいう「七草」とは、季節の代表的な花々のこと。
萩の花、尾花、葛花、なでしこ、女郎花、藤袴に 朝顔の花(*朝顔とは、桔梗の別称)
土台に見立てた 野のいろは
秋らしく、すこし濃いめに仕立てます。
中はふっくらと炊き上げた、
丹波大納言の粒あん。
九月の本席(奥の八畳の茶室)のしつらい
・お軸 結果自然成(けっかじねんなり)
・香合 月
・水指 竹張釣瓶水指
・棗 一粒万倍
栗の墨画のお軸、こちらは禅のことばから。
「結果というものは自然に出てくるものであって、人間の作為や思惑を離れている」
ひたむきな努力と、ありのままを受け入れる鷹揚さ
その両面をもつことの大切さをといたもの。
秋の七草をあしらった、優美な器をあわせて。
立礼席のしつらい
「立礼席(りゅうれいせき)」とは、椅子とテーブルの茶室。
茜庵本店で喫茶をご利用のお客様には、こちらのスペースでお菓子をお楽しみいただきます。
・花入 黒楽の釣舟
・茶碗 見返りうさぎ
・棗 秋草
鉄線の、するすると 直線的な美しさを愛でながら、
こちらも秋のモチーフ、うさぎの茶器で愛らしさを添えて。
しつらいとは、和のコーディネート遊びのようなもの。
リラックスしてお菓子を召し上がっていただけるだけで何よりですが、しつらいの遊び心まで覗き見ていただくと、ちょっとお楽しみが増えるかもしれません。
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