お茶の時間
弥生のお菓子「水温む」と室礼
春の季語をお菓子の銘に
春の季語、水温む(みずぬるむ)。
「ぬるむ」という 優しく繊細な表現は、いかにも日本の春らしいように思えて好きな言葉です。
春の川縁の風景をうつした、今月の喫茶のお菓子。
中の餡は 白と桜の二重餡。はんなりと さくらの色香が忍びます。
三月の本席(奥の八畳の茶室)のしつらい
毎月 お菓子とのコーディネートをお楽しみいただく室礼、今月は 水の気配を纏わせて。
どっしりと中央の軸に描かれた文字は「春山青松水清」 。
裏千家・鵬雲斎大宗匠の書は、茜庵創業当時にかけたもの。
悠々と 鴛鴦の香合をあわせます。
水指の絵柄は、青海波ー実は、この柄の発祥は古代ペルシャだとされています。いつまでも続く穏やかな波の姿は、平和への願いがこもった伝統模様。
花と水ーさくらの茶碗は、二月にも登場いたしました千家十職、こちらは永楽善五郎の手によるもの。
立礼席のしつらい
「立礼席(りゅうれいせき)」とは、椅子とテーブルの茶室。
茜庵本店で喫茶をご利用のお客様には、こちらのスペースでお菓子をお楽しみいただきます。
お茶の世界でも、桜はいくつも重ねて良しとされる 別格の存在。
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