お茶の時間
文月のお菓子「星涼し」と室礼
夏の星空に想いを寄せて
文月の喫茶に、ようこそ。
とろけるような、暑さですね。
夏は夜、と詠んだのは 平安時代きっての随筆家、清少納言。
この時期の 蒸せるような暑さは堪りませんが、チロチロと虫の音をききながら 星空を見上げる夜は、格別なこと。
そんな夏のご褒美を、涼しげな和菓子に。
さっぱりと、キウイ餡の取り合わせ。
生地はすべらかに、葛で仕立てました。
本席(奥の八畳の茶室))のしつらい
お軸にはいった「星河」の文字は、天の川のこと。
抹茶を入れておく「なつめ」に描かれるのは、占いにも使われる9つの星。
茶道具には、大自然や、はたまた宇宙に繋がるモチーフが描かれていたりするので、あなどれません。
七月の立礼席のしつらい
「立礼席(りゅうれいせき)」とは、椅子とテーブルの茶室。
茜庵本店で喫茶をご利用のお客様には、こちらのスペースでお菓子をお楽しみいただきます。
まずは 梶の葉を、さらりと浮かべて。
七夕といえば、「棚機つ女」(たなばたつめ)と牛飼い「牽牛」の、年に一度の逢瀬のイメージがありますが
もともとは平安時代の貴族たちの間で、芸事の上達を願い 梶の葉に歌をかいた宮中行事が由来なのだそう。
なんでも 里芋の葉にたまった夜露を集めて、墨を摺ったのだというから
平安貴族、なんとも心憎い。
お軸は、人と人のつながりを感じさせるもの。
涼やかに茶器を、とりあわせて。
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しつらいとは、和のコーディネート遊びのようなもの。
リラックスしてお菓子を召し上がっていただけるだけで何よりですが、しつらいの遊び心まで覗き見ていただくと、ちょっとお楽しみが増えるかもしれません。