お茶の時間
抹茶の飲み方〜お菓子の食べ方、お茶碗の回し方〜
お寺や日本庭園、美術館など、日本のあちこちで抹茶の呈茶席を見かけます。
「雅やかな雰囲気でお抹茶を飲んでみたいけれど、マナーが気になる」…と気後してしまう方も多いと聞きます。
和の文化に触れる際に大切なのは、まずはその場を楽しむこと。
堅苦しいお作法までは不要なようにも思いますが、抹茶の席で押さえておくと良いポイントを 2つだけご紹介いたします。
原則1:食べる順番は「お菓子」が先、抹茶が、あと。
最近の和喫茶などでは、お茶とお菓子が同時に運ばれてくるお店も多いのですが、厳密に言えば、食べる順番は「お菓子が先で、お抹茶があと」。
畳のお茶席では、お菓子を先に食べきってからお茶をいただきます。
お菓子を切る際には、半分か1/3程度にすると、所作がより綺麗に見えます。
原則2:抹茶のお茶碗の回しかたのコツは、「正面を避ける」こと
いざ抹茶が運ばれてきたと思ったら、お茶碗がくるくる回って目の前に!
飲む時にも、くるくる回すべき?二回転?はたまた三回転??
一番悩むのは、おそらくここですよね。
この回し方は流派によって多少の違いがありますので、大事な原則だけを抑えておけば大丈夫。
茶碗は手のひらにしっかりのせましょう。
「いただきます」の感謝の気持ちを込めて、少しだけ茶碗を持ち上げます。
茶碗を持ち上げ、くるくると時計回りに2度まわします。
こうすることで、茶碗の正面を避けていただくことができます。
正面を避けるのは、おもてなしをしてくださる方への感謝と、茶碗の作り手に対する「リスペクト」の気持ちから。
茶の湯では、言葉で表さない気持ちを、分かりやすく、所作で表現します。
その意味を知ることで、”作法=堅苦しい”とイメージもやわらぐのではないかと思います。
自分のペースでゆったりと落ち着いて味わってください。
飲み終わる時、「スッ」と音を立てて、”吸い切”をしましょう。
お茶席では、この音が「おいしくいただきました」という合図になります。
飲み終わった後は
口をつけた箇所を、指でそっと拭います。
拭った指は、懐紙やハンカチで拭うとスマートです。
飲む時と反対方向に、まわします。
これでお茶碗が正面に向きます。
そのままそっと静かにテーブルに置きます。
どのような茶碗なのかを「拝見」するのも、お茶席での楽しみのひとつ。
抹茶碗は、実は茶席でゲストが直接触れることができる、数少ない品。
季節や行事ごとに変わったり、もてなす側の想いがこもった一品が選ばれていたり・・
じっくりと拝見することで、おもてなしの心を感じることができます。
はじめはよくわからなくても、「こういうものかな」という気持ちで、気軽にどうぞ。
両手で包むように持ち上げて、手触りや高台の様子など、茶碗の「景色」を楽しみます。
拝見が終わったら静かにテーブルに置きます。
畳の席でいただくときは、縁の外に置きましょう。