お茶の時間
葉月のお菓子「蓮華」と室礼
葛生地に、蓮根を
葉月の喫茶に、ようこそ。
たぬきも蕩ける、暑さです。
まもなく お盆をむかえる頃となりました。
淡くそめた葛生地に、蓮根を繊細におろしあわせて。
希少な白小豆のあんを包んで、口当たりよく、あっさりと仕立てました。
ゆったりと、大切な方を想いながら どうぞ一服。
*混雑緩和のため、8/6~15の期間はお茶席をおやすみさせていただきます。16日より再開予定です。
七月の立礼席のしつらい
「立礼席(りゅうれいせき)」とは、椅子とテーブルの茶室。
茜庵本店で喫茶をご利用のお客様には、こちらのスペースでお菓子をお楽しみいただきます。
今月、ちょっと目にとめていただきたいのが、こちらのお軸。
阿波っ子には馴染みの深い「竹ちくわ」ほどのサイズの小ぶりなお軸。
ほどきますと、椅子と団扇の絵に、一句。
「夕涼みよくぞ男に生まれける」 -こちらは四条派の画家、五井金水と岡島友仙の合作。
酒の席で話がはずんでのことなのでしょう。すいすいと走る筆は、陽の風情。
夕涼みを詠んだ宝井其角の句は 軽妙でわかりやすく、いかにも江戸風。
夏の夕暮れ、風呂上り。だらしなくはだけさせた浴衣の胸元に 団扇をあおぎながら、奥の目を盗んで お酒をチビリ。
「はー男って最高ー」 なんてリラックスしている江戸っ子の声が 聞こえてくるような。
瓢の手桶と、平茶碗をあわせて。
本席(奥の八畳の茶室))のしつらい
中央に据えたのは、どっしりとしたお軸。周囲には藍の気配をあわせます。
「白雲流水清」-白雲も流水も、共に無心に流れ、過ぎ去ったあとは 一切の足跡を残さない清々しさがある。
地元作家の水指には、ギヤマンの棗をあわせて、涼やかに。
しつらいとは、和のコーディネート遊びのようなもの。
リラックスしてお菓子を召し上がっていただけるだけで何よりですが、しつらいの遊び心まで覗き見ていただくと、ちょっとお楽しみが増えるかもしれません。
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